何世紀も以前から大麻植物由来の抽出物は、鎮痛及び抗炎症剤として使用されてきました。現在カンナビノイドの薬理機能としての研究は、研究者の注目を集めたことにより急速に増加しています。この様なカンナビノイドなどの植物化合物を有する、自然に存在する治療的価値に焦点を当てた研究の増加の背景には、化学合成医薬品の多くは治療効果を欠いているか、もしくは急激な副作用が起こるなどの事実によって説明する事ができます。
カンナビス・サティヴァ・エル(大麻の総称)にはフレバノイド、テルペン、フィトカンナビノイドの3種類の生理活性分子が含まれまれ、カンナビスサティヴァエルのフィトカンナビノイドに存在する約60種の様々なテルペンフェノール化合物は複雑な化学物質を有するため、最も重要とされる治療効果に期待が持たれています。フィトカンナビノイドはエンドカンナビノイドの唯一の天然類似体です。(エンドカンナビノイドシステム‐体内にあるCB1およびCB2受容体は、内因性結合基としてフィトカンナビノイドと相互作用します。)フィトカンナビノイドはトリコームとして知られる麻の腺状突起に蓄積され、品種によっては精神作用を及ぼすデルタ9テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)が株内に蓄積されたり、精神作用の無い物質カンナビヂオール(CBD)が蓄積されたりします。
精神活性のないヘンプから治療効果の期待される成分は、カンナビヂオール(CBD)、カンナビオニック酸、カンナビクロミン(CBC)、カンナビサイクロル(CBL)、カンナビヴァリン(CBV)、カンナビジェロール(CBG)、テトラヒドロカンナビヴァリン(THCV)、カンナビクロームヴァリン、カンナビゲロヴァリン(CBGV)、カンナビジェロールモノメチルエーテルなどです。 *
*- 文学の源: Fisar Z (2009). Phytocannabinoids and endocannabinoids. Curr Drug Abuse Rev. 2(1):51-75.